はじめに
カワサキから待望の400cc4気筒スポーツバイクが発売されましたね!免許の上では中型免許の400ccとは言え、圧倒的スペックとパッケージ(値段も…)で最早ライバルは大型ミドルクラスのスーパースポーツバイクと言って良いほど。
もう一方のヤマハR7は、こちらも人気の大型ミドルクラス2気筒のスーパースポーツ。2022年のデザイン賞を獲得するなど抜群のルックスと、MT系統の成熟された扱いやすくも懐の深いエンジンとスペックを持ちつつABS以外の電子制御が一切無い素直なマシンで初心者から上級者まで楽しめるのが魅力。
日本では免許制度の違いこそあれど、どちらも個性的かつ魅力的なバイクで購入を迷う方もいるのではないでしょうか?
本記事では、そんな悩めるバイカーの皆様(自分も含め)に、
イギリスのモトブロガーで、数々の新旧バイクに試乗し比較のわかりやすさに定評のある「MOTOBOB」氏のレビューを参考にまとめていきたいと思います!
※動画内で乗っているモデルと日本仕様に少し違いがある場合もあるので、プラスアルファの説明や意訳を含むことがあります!
スペック比較
それではまず簡単にスペックの比較を見ていきましょう!(今回はKRTエディションで比較!)
車種 | Kawasaki Ninja ZX-4RR (KRT EDITION) | Yamaha YZF-R7 |
希望小売価格(税込) | ¥1,155,000 | ¥1,054,900 |
エンジン形式 | 水冷4ストローク 並列4気筒 DOHC 4バルブ | 水冷4ストローク 直列2気筒 DOHC 4バルブ |
クラッチ/ トランスミッション | 常時噛合式6段リターン アシスト&スリッパークラッチ | 常時噛合式6段リターン アシスト&スリッパークラッチ |
排気量 | 399 cc | 688 cc |
最高出力 | 77 PS (57 kW) @ 14,500 rpm ラムエア加圧時:59kW(80PS)/14,500rpm | 73 PS (54 kW) @ 8,750 rpm |
最大トルク | 39 Nm/13,000rpm | 67 Nm @ 6,500 rpm |
重量 | 189kg | 188 kg |
シート高 | 800 mm | 835 mm |
電子制御 | ABS、TSC(トラクションコントロール) ライディングモード、クイックシフター上下 | ABS |
タンク容量 | 15 L | 13 L |
フロントタイヤ | 120/70ZR17M/C 58W | 120/70ZR17M/C 58W |
リアタイヤ | 160/60ZR17M/C 69W | 180/55ZR17M/C 73W |
フロントブレーキ | デュアルディスク 290mm ラジアルマウントキャリパー | ダブルディスク 298㎜ ラジアルマウントキャリパー&Brembo製マスターシリンダー |
リアブレーキ | シングルディスク220mm | 油圧式シングルディスクブレーキ |
フロントサスペンション | SHOWA製 SFF-BP ø37mm プリロード調整化 | KYB製フルアジャスタブル倒立フォーク Ø41mm |
リアサスペンション | SHOWA製BFRC-lite フルアジャスタブル | KYB製リンク式モノクロスリアサスペンション プリロード及び伸び側減衰調整 |
メーター | 4.3インチカラーTFTメーター | フルLCDメーター |
その他装備 | LEDライト&ウィンカー | LEDライト&ウィンカー |
それぞれの特徴
それでは、実際にMOTOBOB氏が動画内で語る感じたこと、評価を見ていきましょう!
エンジン
まずなんと言っても特徴的なのがZX-4RRの16,000RPMも回る超高回転型エンジン!400ccカテゴリーの中では最強かつ必要にして十分な77~80馬力をマーク。トルクこそ太く無いものの、このエンジンだけでも購入を考える材料になりますよね。
一方のR7は成熟に入りつつある688cc2気筒エンジン。CP2と呼ばれるクロスプレーン2気筒エンジンはMT-07やテネレでも証明されているように扱いやすさ、楽しさに定評があります。ZX-4RRとの絶対的優位性は排気量の恩恵を受けた6,500回転で発揮される67kmのトルク。
キャラクター違いのエンジンを直接比べるのはナンセンスにも見えるが、特にイギリス内(日本でも同じですね…)での街乗りでの速度域かつ日常的に楽しめるのは圧倒的にR7!ZX-4RRのポテンシャルや楽しさを引き出すには現実世界ではやや難しいか….?
しかし!唯一無二のエンジンを搭載したのカワサキNinja ZX-4RRのロマンあふれるエンジンに一票!
シャーシ
両車とも同価格帯の同クラスの中では比較的に豪華なサスペンション、ブレーキ、タイヤが採用されています。ただし、R7にはサスペンションのセッティングの柔軟性、ブレンボ製のマスターシリンダーを採用しコントロール製に優れたブレーキシステム、タイヤはよりスポーツ性能に優れたブリヂストンのS22を採用しZX-4RRに優位性を見せつけています。
エルゴノミクス(人間工学)
835mmのシート高とちょうど良い角度セパハンのR7。決してゴリゴリのスーパースポーツのようなアグレッシブさのあるポジションではないが、日常的なライディングでも使いやすい上に峠やサーキットなどのスポーツ走行でもしっかりこなしてくれるかなりバランスの良いポジションになっています。
対してのZX-4RRも同じく日常からスポーツ走行までを想定したポジションになっているものの、比べると少しだけ低いハンドルに高いバックステップを装備するが、シート高が800mlと低い。個人的にはシートが高くテールが上がっている方がより自然なライディングポジションで好み!
テック(装備)
CP2エンジンを有するR7は、とてもシンプルな装備。ベーシックなLCDディスプレイは必要な情報を表示するだけ。トラクションコントロールもライディングモードもコーナリングセンサーも無しの、ABSだけ!高級な装備といえばオプションで追加できるクイックシフター(でも2万円以上…)
対してのXZ-4RRはカラーTFTのディスプレイに4種類のライディングモード。そして出力特性が2種類、強弱が選べるトラクションコントロールも装備。さらに!RRには嬉しい上下対応のクイックシフターが装備!スマートフォンと接続できる機能もありと、装備に関してはZX-4RRが完全勝利。
スタイリング
バイクを購入するのにも大きなポイントにもなる見た目。R7とZX-4RRどちらも特徴的で、世界的にも人気のあるZX-10RとR1の兄弟車の血を色濃く引いていますね。
これは完全に好みの問題で、どちらも格好良く甲乙つけがたい…両者引き分けです!みんなはどちらが好みでしょうか?
価格
この2車種の比較が成立するのも価格帯がほぼ同じだからです。
シャーシとエンジンの性能に全てのリソースを充てたR7と、唯一無二のエンジンキャラクターと今時の装備が充実したZX-4RR。どちらを選んでも後悔しない選択になりそうですが、今回はオプションのクイックシフターを付けてもまだ価格面で優位に立つヤマハR7に1票!
ヤマハ YZF-R7を選ぶ理由
シンプルかつ楽しいバイクが好きな人
電子制御のほぼ無いR7はバイク本来の楽しさ、シャーシとエンジン性能が100%モノをいう言わばそれだけメーカーの自信作ということの表れではないでしょうか!バイクそのものを自分のテクニックで操る楽しさ、学ぶ楽しさを味わうなら間違いなくこっち!
お手頃価格で大型スポーツバイクが欲しい人
バイクが高性能高価格化している令和の時代。100万円と少しで憧れの大型スーパースポーツが新車で買えるのは貴重!700ccの余裕のある排気量とR1譲りのフロントマスク、日常使いから週末ロンツー、峠とサーキットまで、場所を選ばないカッコ良くて安いバイクは最早買わない理由がないくらいでは!?
カワサキZX-4RRを選ぶ理由
超高回転4気筒エンジン
筆者の私も何を隠そう、高校生で免許を取得して最初のバイクは250ccカワサキのバリオス。ぶん回して走る(バリオスはぶん回さないと走らなかった…)バイクの楽しさ、高揚感は十二分に味わいました!カワサキ4発中毒者の皆様は比較する必要もなくコッチですね。
中型免許の人
批判覚悟で!?言うと、中型クラス最強スーパースポーツはZX-4RRと言っても良いと思います。圧倒的馬力、十分な電子制御と装備。お財布に余裕がある中型免許保持者でスーパースポーツを探している人はZX-4RRを購入すればもれなくカワサキ4発沼へようこそ。色と見た目は後から何とでもなります!笑
最後に…
いやー、どちらか1台選べと言われればかなり悩める2台ですね!
もし誰かがくれるというならZX-4RRかなあ…(貰えるわけない)
オールマイティさを気にするなら排気量的にも余裕のあるR7でしょうか。でも…ロングツーリングにサーキットなんて毎週行ける訳でもないし、高速道路だってそんなに乗らない自分からしたら街中でぶん回して(法定速度で)楽しいZX-4RRの方が合ってるんじゃ…なんて思います!
毎日活発で刺激的な彼女(彼氏)か、飾らない素朴な性格だけど心の深い彼女(彼氏)か。
どっちも欲しい!笑
みなさんの意見も良かったらコメントに寄せてくださいね!
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